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【11】 2002年 5月10日〜9月15日
   温泉地の食べ物、貴船の川床、料理人さんのこと、今川焼き、香港旅行の話


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       常時更新、連続エッセイ

 人生、食べるが勝ち! 

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2002年 5月10日

ちょっとご無沙汰してしまいました。
原稿書きに追われてしまって……。
ああー肩凝ったぁ〜。
こんな時、温泉に入れたらいいのになあ。
そういうわけで、温泉地に思いを馳せてみたいと思います。

以前にもちょっと触れましたが、嬉野温泉が好きです。
佐賀県にある、こぢんまりした温泉地です。
ここの人々はみんな、お肌がツルツルなのだ!
もちろん、しょっちゅう温泉に入っているからだと思いますが、
どうやら他にも理由があるようです。
それは、温泉の飲用効果。
地元の人とお話ししてビックリしたんですが、
なんとこの町の一般家庭では、キッチンに蛇口が必ず二本あるんだそうで、
一方は普通の水道水、そしてもう一方からは温泉の湯が出るんですって!
なんとも羨ましい環境ですよねぇ〜。
ここの温泉がまた、すごくおいしいんですよ。
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2002年 5月20日

どうも更新がままならず…。
じつは原稿に追われているうえ、
何かの食べ物で酷いアレルギーを引き起こしてしまいまして、
胃痛と吐き気と高熱で、大変なことになりました。
いやまー、すぐ治ったんで、ぜんぜん大丈夫なんですけどね。
ただ、アレルギーの原因を究明しておかないと、
また繰り返すのはゴメンだって感じです。
しかしイヤなこった…。
食べることに人生を賭けてるっちゅーのに、
好きでも食べられない物が発生するなんて。
世の中には、きっと同じことで悩んでいる人も多いのでしょうね…。
そうでなくても、ダイエットのために我慢してる物もあるのに〜。
同類さん、負けずにがんばりましょうねっ、ねっ!

さて、温泉の話でした。
嬉野温泉では、料理によって温泉のお湯を使うんだそうです。
とっても味がまろやかになるんですって。
でも、ご飯は炊かないとおっしゃってました。
「たまに蛇口を間違って、温泉でご飯を炊くとビックリ。
フタを開けるとご飯が黄色くなってて、またやってしまったーっ!て…」
とは、地元の方の弁。
へ〜黄色になるんですって。
温泉のお湯自体は、見た目はもちろん無色透明なんですけどね。
和歌山県にある湯の峰温泉では、ご飯も温泉で炊くそうです。
温泉といっても泉質はさまざまなので、その土地によって使い方も違いますよね。
ご飯を口に入れると、ふんわり硫黄の香りが漂って、
すごくいい感じなんです。
お米の風味と、わずかな硫黄の香りって、すごく合うんですねー。
この温泉地は、湧出温度がなんと99度。
だから、湧き出ている場所でそのまま野菜を茹でたりできるんですよねぇ。
便利でしょ〜。
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2002年 5月26日

湯の峰温泉のお湯で茹でた野菜は、
なんともいえず“まろやかぁ〜”な風味になるんです。
ほうれん草や小松菜などの菜っぱ類は、
なんだか食感まで柔らかく感じるほどに、甘みが出てまろまろまろやかなんですねえ。
いえ、決して茹ですぎてクタクタになったワケではありませんよ。
サツマイモも、すっごく甘くなるし、皮の部分がなんだか旨みが増すみたいに思いました。
面白いのは、ゆで卵です。
ふつう「温泉卵」っていうと、あの白身がトロンとして、黄身がホンワリ固まったのを想像しますが、
ここのは違うんですね。
そりゃ、熱湯で茹でるんですから、家で普通に茹でるのと同じっていうことですね。
でも、食べるとビックリするほど硫黄の香りがするんです。
卵ってやっぱり、匂いを吸収しやすい物質なんでしょうねえ。
食感は普通だけど、味はこれぞまさに「温泉卵だ!」って感じでしたよ。
ちなみに、湯の峰温泉は、すごくお気に入りの温泉地です。
といっても、私は一回しか訪れてないんですが……。
とても歴史ある温泉地で、川の脇で野菜などを茹でる場所があるんですよね。
そこで、町の人々も観光客も一緒になって、和気あいあいと井戸端会議するという、
とてものどかで、いかにも温泉地らしい風情があるんです。
私の宿泊した老舗旅館には、
温泉の蒸気を利用したサウナ……いわゆるミストサウナのようなものがあったんですが、
これ、すっごく気に入りました。
とても古い建物で、サウナの壁もすべて木造なんですよねー。
なんだか優しい感じで、気分まで落ち着く空間でした。
ミストサウナみたいなものが、日本にも昔からちゃんとあったんですね。
ここはぜひ、オススメします。
温泉を使った料理も堪能できますよ。
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2002年 6月16日

またもやご無沙汰してしまいました。
物事の重なる時って、ホントおかしいほど重なりますよねー。
あまりに忙しいと、私の場合、ストレス太りしてしまうタチなんで、
なんか妙に体重が増えてしまってもう……。
シャレになりまへんわ。

さて、バタバタしてるうちに、えらい暑くなりましたねえ。
温泉の話題なんか書いてられんっちゅーほどですね。
こないだ梅雨入りしたはずやのに、なんか毎日エエ天気で……。
そうそう、関係ないんですけど、これからはココのコーナー、京都弁で書きます。
「方言を守ろうキャンペーン」実施中なんです。
え? どこで実施してるかって?
私が勝手に一人で実施してるんですけどね……。
キャンペーンのプレゼントとかは無いので、すんまへん。
京都弁といっても、…どすえ〜とかは使わないので、
普段、自分が使ってる程度のものでいっときます。
ただ、丁寧な言葉になると、京都弁て出にくいんですよね。
なので、皆さんには少々失礼ですが、くだけた喋り言葉で書かせていただきますね。
もし「何言ってるのかわからない」っていう言葉があったら、掲示板に書いてくださいねー。
喜んで解説しますので。
ハイ、ではここから開始。

温泉の話はちょっと置いといて……こないだ貴船に行ってきました。
貴船は涼しいて聞くけど、ほんまにびっくりするぐらい涼しかったんですよー。
その日は真夏日で、京都では30度を超えてたんやけど、
なんと貴船川沿いは上着がいるぐらい涼しかって、町中とは10度ぐらいも差があるんやってぇ!
今ちょうど川床のシーズンやさかいに、涼みに行ったらほんまに気持ちええよぉ〜みなさん。
もうちょっと詳しいこと、次に書きますねー。
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2002年 6月17日

なんか急にこんな言葉で書き始めたら、すごいおかしい感じがするんやけど、
ほんまに最近、方言の危機と重要さをヒシヒシ感じてるんですわ、私。
まず、いわゆる標準語=きれいな言葉、方言=きたない言葉……ていう、
とんでもない観念だけは、絶対に拭い去らなアカンと思います。
そもそも標準語ていうのは、
まあ言うたら、全国放送でニュースを伝える時なんかに混乱を招かんように、
とりあえず統一した言葉を決めとこか〜いうて、とある会社が決めただけのもんですやろ?
マスコミが勝手に考えはったもんに過ぎひんのです。
東京の言葉=標準語というイメージも、もちろん完全な間違いで、
東京の言葉は東京弁です。方言です。当たり前やんねえ〜。
なんで方言が大事なんかって、べつに私が説明する必要もないと思いますけど、
これは歴とした文化やからです。絶対になくしたらアカンもんやと思います。
そやけど、言葉ほど簡単になくなっていくもんも珍しいんとちゃいますやろか。
喋り言葉やさかいに、喋らへんかったら終わってまうんやんねえ。
なんかダラダラいらんこと書きましたけど、
何が言いたいんかっちゅーと、
自分の行為ひとつひとつが文化になって行くていう事を、
自分も含めて、もっと認識しなアカンなあ〜て思うんです。
貴船の川床もね、じつはまだそんなに長い歴史を持ってるもんでもないんですけど、
川床料理の始まりを貴船神社の神主さんに聞かしてもうたんですね。
そしたら、ある時、あるおっちゃんが、
「今日は暑いさかい、この料理、川に持っていって食べよかぁ〜」言うて、
お盆にご飯のせて運んで食べたんが始まりやーて言われてるんですて〜。
すごい個人的な行為ですやろ〜?
そやけど、このおっちゃんの心には、暑い京都の地をどうやったら切り抜けられるか、
なんとかして涼を感じたいなぁ〜……ていう思いがいっつも存在してたんやろねえ。
その方法をいろいろ探したはって、川でご飯食べることを思いつかはったんやんね。
単に「涼しいや〜ん」て思てしゃはっただけやろけど、
そんな何気ない行為でも、なかなか風流やと思いませんか?
それが直接、現在の川床料理になったんかどうかは、
実際のところはわからへんのやろうけど、
それでも、そういう事の積み重ねこそが、文化と呼ばれるもんに繋がっていくんやと思たら、
なんか感慨深いでしょ〜。
やっぱりその土地に住む人の思いとか知恵とか、
そんなもんひとつずつが積み重なって、ひとつの文化が花開いていくんやねえ。
……て、なんか一人でしみじみしたりして〜。
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2002年 7月4日

ああ、なんとか抜け出しました〜。
疲労の蓄積ていうのは、バカにしたらアカンねえ。
みなさんも気ィつけとおくれやすぅ。
(※この「〜しとおくれやす」ていう言い方は、最近はすたれてきてますねん。)

貴船の話を書いてたんやねえ。
貴船のある店で、ステキな料理人さんにお会いさしてもらいました。
料理に対する情熱がすごい伝わってきて、話しててもグングン引き込まれていくような、
内面の魅力をものすご持った人でした。
あ、決して“内面だけ”ていう意味とちゃいますよ、もちろん。
中身のステキな人ていうのは、外見にまでにじみ出るんやねえ、その魅力が。
かなりベテランの料理人さんでしたけど、
ものすごーい研究熱心で、純粋な京料理の中に新しいアイデアをどんどん吹き込んだはるんです。
基本的な知識や考えをしっかり持ったはるさかいに、
新しいアイデア料理ていうても、決して奇抜なもんとちゃうんですよね。
技術も磨いたはるさかいに、アレンジも自由自在にしゃはんにゃろなあ、
京会席の献立にしっくり馴染んでんねんけど、食べてみたらハッ!て驚かしてくれはるような、
そんな感じなんです。
ステキやーて思いません?
料理人さんの中には、当然ごく一部の人やろうけど、
残念ながらだんだん情熱をなくしてしもて、惰性でやったはる人もやはるでしょ〜。
そういうお店に入ってしもたら、すごいガッカリしますやんねえ。
前にものすごガッカリしたことがあるんですー。
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2002年 7月7日

それというのは、ある港町で入ったお寿司屋さん。
“ここに来たら当然、海の幸やんなーっ!”っていう、お魚の美味しいスポットでした。
その日は平日で、時間もちょっと遅かったためか、店は軒並み休業か閉店。
歩き回ったあげくやっと見つけたのが、昔ながらのお寿司屋さんでした。
とにかく「この地でやってるお寿司屋さんやし、おいしないハズないやろ〜」と思て入ったんですよ。
戸を開けたらね、お客さんがほとんどやはらへん。
ちょっと不安にはなったけど、「そもそも人通りがなかったしなあ…」と自分を納得させて、
テーブル席に着きました。
女性の店員さんが感じよく迎えてくれはったんで、まあ安心して、握りの盛り合わせを注文。
すると、隣のテーブルで新聞を読んだはった唯一の客っぽい男性が、
吸っていた煙草を灰皿で揉み消して、おもむろにカウンターへ入らはりました。
……! ご主人やったんですね。
カウンターに立った主人、チャカチャカと手を洗うて、もくもくと寿司を二人前握り、
女性店員…おそらく奥さんに盛り合わせ二皿を差し出すと、
すぐに隣のテーブルに座り、また新聞の続きを読み始めはったんです。
そしてなんと……煙草の続きも!
私と友人の前には、握り寿司の盛り合わせと共に、煙草のけむりも運ばれてきたのです。
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2002年 7月10日

ちょっとこれはどうかと思いませんか〜?
寿司そのものは、やはり漁港だけあってネタはまあ良さそうやったけど、
「おいしい」と感じる気持ちが失せてしまうでしょ〜。
鼻から煙草の匂いが来るし、なんかシャリまで匂いが移ってそうやもん。
だいたい、このご主人は、自分が料理人であるっていうことをどう思たはるんでしょうかねえ?
その姿勢自体を疑われても、しゃあないんちゃいますか?
私もまだうら若い頃でして、なーんにもよう言わんかったんですけど、
もう行きませんね、あの店は。

料理って、そういうもんですよね。
味ていうもんは、べつに舌の味蕾で感じる感覚だけやない。
味覚と嗅覚と半々やっていうし(そやから鼻つまんだらキライなもんでも食べられるんですもんね)、
それに、最終的に「美味しい」と認識するのは脳なんやから、
気分が悪かったら、ちょっともそんな思いが湧いてきいひんもんね。
そやからこそ料理て、作る人の内面が出るんやと思うんです。
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2002年 7月15日

あったかい思いで作らはった料理て、いただいたらわかる気がしません?
なんか料理もほんわり柔らこうて、「ああ美味しい美味しい」て、つい口に出してしまうような。
よく料理の評論家みたいな人が、しかめっつらで
「これは○○産の最高級素材を××な手法で△△してるから良い味だ」な〜んて言わはりますけど、
普段、あんなこと思てたらぜんぜんおいしいないもんね。
まあ、あの方々はそれが仕事なんやから仕方ないけど。
私も仕事でモノを食べることがよくあるんですけど、
事細かな説明を聞いて、頭でゴチャゴチャ考えながら食べると、
おいしいのはもちろんなんやけど、なーんか気が乗らんっちゅうか……。
「これをどう文章にしようかなあ」って考えながら食べるので、
おいしいと感じる気持ちが絶対に100%には達しませんね。
後日、その店に気の合う友達なんかとプライベートな食事に行くと、
格段に美味しいんですよね、コレが。
「やっぱり客としてお金払て食べに来るんがええわぁ〜」って、しみじみ感じます。

同じようなことで、いっつも疑問に思てるのが、料理人さんのお弟子さん達への接し方。
これも、お店によってまぁそれはそれは違うんですねえ。
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2002年 7月17日

たま〜にあるんです。近寄りがたい調理場が。
客間はとてもしっとりした雰囲気で、庭なんか眺めながら情緒に浸らしてくれるのに、
調理場の奥からけたたましい怒鳴り声が響いてくる……
そんな京料理の店があるんですよねぇ。
なにも京料理に限ったことやないんですが、
静かな空間だけに、よけいにビックリするんですよねー。
もちろん、お客さんの前では見せやあらへんと思いますけど、
取材で行った時なんかは、普段の様子をかいま見てしまうわけです。
お弟子さんらを厳しく、本物の料理人に育てる。そんな師匠の思いもわかります。
そやけどなぁ……ちょっと行き過ぎ? て思えるほど怒鳴り散らしたはるのを聞くと、
そんな身体を強ばらせて、心も萎縮させて作った料理って、
ほんまに美味しいんやろか?? て疑問を持たずにはいられへんのです。
あの環境で、食べる人への思いやりを込めて、あったかい気持ちで作ること出来るかなー?
…てね。
まあ、きっと知らんとこでは褒めたりしたはるんやろね。
そう思ときましょね。

そうそう、先述の貴船の情熱ある料理人さんですけど、
この方はやっぱり、お弟子さんに対しても愛情を感じました。
もちろん、料理に対する厳しさは、お弟子さんに対しても一緒やと思いますけど、
目くじらたてて怒鳴りまくるような感じはまったくなかったなぁ。
貴船の川床については、ちょうど今、全国で発売中の『旅の手帖 8月号』に掲載されています。
もしよかったらお読みくださいませませ〜。
ちょっぴり宣伝でした。 (^_^;)ゞ
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2002年 7月26日

この暑い中、温泉に行って茹でダコになってきました〜。
友人に「真夏に温泉なんか、まず行こうって考えへんわ」と言われつつも、
やっぱり「日本人は、リフレッシュといえば温泉やろ〜」と、めげずに行った次第です。
亜熱帯バリの暑さもなんのその、気持ちよかったですよぉー。
行き先は、兵庫県の湯村温泉です。
城之崎温泉のもうちょっと北西。その名も「温泉町」という小さな集落です。
『夢千代日記』の舞台として有名になりました。
だいたい私は、ちょっとひなびた感じの温泉地が大好きなんですが、
ここは、求める雰囲気にかなりそぐう温泉地です。
なんといっても、川沿いにある湯壺が、温泉地らし〜い雰囲気を醸し出しているのです。
「荒湯」と呼ばれるこの場所では、100度にきわめて近い源泉がフツフツと湧きだし、
モクモクと白い湯気にあたり一帯が包み込まれていて、
「ああ〜温泉に来たなぁ」って実感させてくれるんですよね。
ここで絶対にすべきことは、なんといっても温泉卵を作って食べること。
といっても、以前にも湯の峰温泉のところで書いたのと同じく、
温泉の温度が十分すぎるほどに高いために、ごく普通のゆで卵が出来上がります。
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2002年 8月17日

温泉卵の話、中途半端になってしまいました。
やらなアカンこと、やりたいこと、なんやかんやが日々満載で、どうも事がスムーズに進みません。
ああ〜時間が足らないよぉ〜。
みなさんは、“退屈でたまらん”という事がありますか?
私は普段、いっつもこの“やらなアカンこと&やりたいこと”に追われていて、
退屈を感じたことがないんです。
でも一度だけ、もう何年も前なんですけど、「ヒマやなぁ〜」って思ったことがありました。
それは、北海道に行くフェリーの中です。
33時間、船上にいるのです。見えるのはただ波だけ。
売店で画用紙とクレヨンを購入して、落書きしてました。
なんとも心地よい“退屈な時間”。
ああ、またあんないい時間を過ごしたいなあ。

さて、昨夜の京都では、例年のごとく五山の送り火が行われました。
去年見つけた、近所のとっておきのポイントがあるので、
今年も夜の8時にいそいそと出掛けていきました。
ポツ、ポツと渋いオレンジ色の点が見え、次第に線になって、ゆっくりと大文字の形になってゆく時、
なんともいえない充足感があるんですよねえ。
そしてしばらくすると、文字はだんだん薄らいできて、大の文字は縮こまっていきます。
それでも粘り強い炎だけはしつこく燃え続け、まるで行く夏を惜しんでいるかのよう。
夏好きの私としては、この瞬間はとーっても淋しい気分になる時なのです。
それと同時に、なんだかちょっと懐かしい、イヤな気分が湧き起こってきたので、
なんでかなーって考えてみると、
大文字の送り火が終わるといつも、「そろそろ夏休みの宿題を本気で片付けなアカンなあ」
……ってことを思っていたんですね、昔は。
そんな気分だけがまだ心の隅にこびりついていて、
夏休みの宿題がなくなった現在の状況を喜びつつ、ニコニコと家に帰ったのでした。
あれ、食べ物の話やなかったねえ、すみませーん。
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2002年 8月18日

ところで、ちまたで「大文字焼き」とよう言われますけど、これは間違いでございます。
正しい名称は「五山の送り火」。
私らは「大文字の送り火」とか、単に「大文字」とも呼んでます。
お盆に実家へ帰ってきゃはった霊の皆さまを、
この日の煙と共に、また天上へお送りするっちゅう行事なんですよね。
ちっちゃい頃は、そんな意味も知らんと「わぁ〜火ィ点いたでぇ〜」とか言いいつつ、
お気楽に眺めていたもんですけどねー。
「大文字焼き」ていうと、なんか美味しそうですよね〜。
“大”という形をしたお饅頭かなんかみたいやわ♪
「〜〜焼き」と言えば、「今川焼き」をまず思い出します、私の場合。
いや、私の大好物のタコ焼きとか、べつにタマゴ焼きでもいいんですけどサ。
今川焼きって、な〜んかエエ雰囲気でしょー、そう思いません〜?
昔よく、薄っぺらーい小さな紙袋……ほら、白とか、緑とか、うす茶色とかあるアレです、
光に透かして見ると細かいストライプ模様になってるヤツね、
今川焼きを買うと、ああいう庶民的な紙袋に入れてくれはってね、
家に持って帰った頃には、アツアツの今川焼きから湯気が噴出して、
紙袋がシメシメに湿ってペッタンコになってて、今川焼きにピチャーッてへばり付いてるんですよね。
それを注意深くピロリンコとはがしながら、ハフハフと食べるのがいいんですなぁ。
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2002年 8月25日

「今川焼き」って、いろんな名前で呼ばれてますよね。
「回転焼き」とか、「大判焼き」とか……。
そもそも「今川焼き」の名の由来て、
江戸の神田にある“今川橋”付近の店で、最初に売らはったからなんやってねえ。
そやから東京近辺ではこの呼び名が中心みたいです、たぶんですけど。
ちなみに今川橋って、
現在の千代田区鍛冶町1丁目と中央区日本橋室町4丁目を結んでいた橋なんやそうです。
今はもう、あらへんのやろか?
「回転焼き」ちゅう名は、きっとベルトコンベアー式の機械で回転しながらどんどん焼けていく、
アレから来てるんやろうねえ。
昔、滋賀県の「紅葉(こうよう)パラダイス」(後に「びわ湖パラダイス」に名称変更)ってとこがあって、
数年前に閉鎖されてしもたんですけどね、
そこに行くと、ガラス張りのコーナーで回転焼きが焼かれてて、
まぁ〜ようガラスにヘバリ付いて見物してたもんです。
私、ああいう、機械で次々に物が出来ていくとか、グルグル回って進んでいくモンがなぜか大好きで、
いつまでもいつまで〜も見ていたい衝動に駆られるんですよー。
工場見学とか行ったら、もう興奮して目がランランと輝いてしまうのであります。
特に、丸い型にプチュッ! プチュッ! …っと生地が流し込まれるとことか、
パッコーン!と裏返って、2枚の生地がひとつに合わさるとことか、
焼き上がった生地に焼き印をポコポコ押していくとことか……。
ああ〜面白い♪
ああ、なんか『銀河鉄道999』の機械化人間の食べ物を作る工場を思い出した……。
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2002年 8月27日

あれま、話がちょっと違いました。
映画『さらば銀河鉄道999』(やったよなあ?)で、巨大工場が登場するんですよねえ。
そこでいっつも私は「うおぉ〜」と思うんですよねえ。(どう思うってことやねん?)
まあそれは置いといて、と……。
最近は冷凍食品で「今川焼き」が売られてますよね。
私はたまに気が向くと、それを朝食にしてしまうことがあるんですけど、
最近、お気に入りの食べ方があるんです。
あれって電子レンジで温めるんですけど、十分に温めてから、
金串に刺してコンロの火で焙るんです。
ちょっと焦げ目がつくぐらいに、ササッとでOKです。
いや本当はね、商品の説明にも「トースターでサッと焼くといっそう美味しい」って、
ちゃんと書いてあるんですけど、なかなかそこまでしいひんでしょ〜。
私はとくに邪魔くさがりなんで……(^_^;)ゞ
でも、コンロの直火で焼くっちゅーのは手っ取り早うてねー、私でもヤル気になれます。
ムニャ〜と柔らかかった皮が、表面だけパリッとなって、
これだけのことで、すんごく食感が良うなるんですよ〜ん。
香ばしさも加わるんで、美味しさアーップ!
同じく、冷凍のタイ焼きなんかもイケます。あ、タコ焼きでもいいかもねー。
そうそう、今川焼きって牛乳とよく合うんでーす。
こうやって朝食に今川焼きを食べる時、
いーーーっつも熱々のアンコで上あごを火傷してしまうのは私だけ?
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2002年 9月15日

掲示板に、お客さまのまこりんさんが書いてくれはった情報では、
「今川焼き」とは言わず「太鼓焼き」と呼んだはったそうです。
そうそう、そういう言い方もありましたねー!
あれって、まさに“太鼓型”ですもんねえ。
焼き印で曲玉マークでも押しといてもろたら完璧やねんけどなあ。
同じモノでも、場所によっていろんな呼び方があるのって、なんか面白いですね♪
まこりんさま、ほんまにおおきに〜。
またぜひ、いろんな情報を教えてくださいね!

さて、今日はなんか風が涼しいですね。
急に秋っぽぉ〜なってきました。
今川焼きが欲しーなってくる季節です。
8月の終わり、夏の休暇の締めっちゅうことで、香港プチ旅行に行って来ました。
締めたハズやのに、まだ遊んでんのはなんで?……てな疑問は置いといて、
せっかくやから、香港で食べたもんのことを書きたいと思います。

まず、香港に行くことになった経緯を述べますとですね、
最初、私がネットで“超格安・韓国ツアー”を見つけたんです。
それは、往復フェリーで一泊ずつ、釜山に二泊って内容で、なんと二万円弱!
フェリー大好き人間の私は「行くっきゃないゼッ!」と友人を誘いました。
「キムチと焼き肉といろんなピリ辛料理とウマイ魚介を食べて、韓国食材を買いに釜山へ行こう」と言うと、
友人も乗り気。
さっそく申し込んだんですが……なんと「もう定員オーバーです」と、あっさりボツに。
あらら〜世間にはけっこうフェリー好きっているもんなんやなぁ……という事実にも驚きましたが、
行く気マンマンでスケジュールを空けていた私と、すでにガイドブックまで買い込んでいた友人は、
そう簡単に諦めるなんぞ不可能なのだった。
それで、友人と共に旅行会社へ出かけ、超低予算の海外ツアーを探したところ、
たまたま香港格安ツアーを見つけました。
「香港といえば飲茶……モチモチ皮の海老餃子!」
私達の目はランランと輝き、その場で申し込んだのでした。

ということで、この旅の第一目的は「モチモチ皮の海老餃子」を始めとする“飲茶”でした。
さて、私達は満足のいく飲茶にありつけたか否か?!
……つづく。
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